みそと健康
第7回
みそと美白効果
【1】みそを作る人の手は、白くてきれい?
最近では褐色の肌にも人気があるようですが、依然として白い肌へのあこがれは強いようです。美白効果をうたった化粧品も、次々に発売されています。
ところで、よく「みそを作っている人の手は白くすべすべしている」と言われます。「みそを食べると、肌をきれいになる」といった効果はあるのでしょうか。
肌の色を決定しているのは有名なメラニンという物質で、メラニンが増加するとシミやそばかすの原因になります。メラニンは皮膚の表皮にあるメラノサイトという細胞で作られています。
この細胞の培地にみそを加えて5日間培養し、どれだけメラニンが作られたかを実験してみた結果が、下のグラフに示されています。
「対照」は何も加えなかったもの、「みそ1」はみその熱水抽出物を加えたもの、「みそ2」はみそのエタノール(アルコール)抽出物を加えたもの、「アルブチン」は化粧品としても使われるアルブチンを加えたものです。
みその成分をアルコールで抽出したものは、アルブチンと同じかそれ以上のメラニン合成を抑制する力があることがわかります。やはり、みその中には美白に役立つ物質が含まれていたのです。
参考文献
- 新本洋士「みそに含まれる遊離リノール酸に、メラニン合成抑制作用を確認」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.91-98。