みそと健康

第4回
みそと老化防止効果

【1】「活性酸素」とは?

最近、健康ブームの中で「活性酸素」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。「酸素」は人間が生きていく上で欠かせないものですが、「活性酸素」は健康によくないもののようです。活性酸素とはどんなもので、体にどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。

私たちが日常無意識のうちに呼吸している酸素は、化学的に非常に安定した物質です。ところが、この酸素に紫外線や放射線が当たると、化学的に不安定な物質になってしまうことがあります。これが「活性酸素」です。
活性酸素は、他の物質と結合しやすいという性質を持っています。例えば、活性酸素が脂質と結合すると「過酸化脂質」となります。
こうして生まれた活性酸素や過酸化物は、体内の細胞に対して悪影響を及ぼします。まず、細胞膜が酸化され、がんなどに侵されやすくなります。そして、細胞内の遺伝子を破壊し、老化や病気をもたらすのです。また、過酸化脂質が分解されると、新たに活性酸素が生まれ、過酸化物のさらなる増加につながります。

人間はいずれ老いていきますが、この活性酸素こそが老化をもたらす大きな原因と考えられています。したがって、老化を防ぎ、健康を維持するためには、

1. 活性酸素を消去する
2. 体内脂質の酸化を防ぐ

という、2つの性質を備えた食品を摂取した方がよいということになります。

参考文献
  • 加藤博通「みその成分が細胞の老化を予防する」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.30-38。
  • 大久保一良「みそ中の成分“DDMPサポニン”が疾病や老化の原因になる活性酸素を消去」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.53-59。
  • 全国味噌工業共同組合連合会『全味工連 '96~'97』
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