みそ健康レポート
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第2回 みそと血圧抑制効果
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【2】みそは塩分が高いから、高血圧になる?
「みそは確かに体にいいかもしれないが、塩分が高い。塩をたくさん食べると高血圧になるのではないか」と思われる方も多くいらっしゃることでしょう。ここではその疑問にお答えしたいと思います。 国際的な食塩摂取に関する調査「インターソルト・スタディ」では、食塩摂取量と高血圧の関係が調べられました。大多数の民族は、1人当たり1日10〜15グラム程度の塩分を取っていますが、統計をとってみると食塩摂取量と血圧の関係がはっきりしないのです。
最近の調査で、高血圧の人には、食塩を取ることによって血圧が上がる人と、食塩をとっても血圧の上がらない人がいることがわかりました。したがって、高血圧の治療のためには、減塩をする意味のある人と、減塩をしても血圧が下がらない人とを区別して考える必要があります。

食塩によって血圧が上がるかどうかは、遺伝によって決まる傾向があるので、近親の方で高血圧の方がいらっしゃる場合には食塩摂取量に気をつける必要があるかもしれません。しかし、多くの方は、食塩を摂取したからといって、すぐに血圧が上がるということはないはずです。

日本人の平均的な食塩摂取量は、厚生省の調査によると1日13グラムとなっています。これに対して、医学的に血圧上昇をもたらさない食塩摂取量は1日6グラム以下とされています。もし、必要以上に食塩を摂取した人が全員高血圧になるとすれば、ほとんどの日本人が高血圧になってもおかしくないはずです。

「インターソルト・スタディ」は、同じ条件・方法によって、世界52カ所の人々の食塩摂取と血圧の関係を見たものです。全世界10,000人以上のデータによって研究は行われました。その結果、1日3グラム以下くらいの極端に食塩摂取の少ない民族では高血圧がほとんどないことと、1日30グラム以上のような極端に食塩摂取の多い民族では高血圧が多いことは明らかになりました。しかし、その中間に属する大多数の民族については、食塩摂取と血圧の相関関係は認められませんでした。

東京大学医学部の藤田敏郎教授の研究(1995年)によると、高血圧の人には、「食塩感受性」の人と、「食塩非感受性」の人がいることがわかってきました。
「食塩感受性」の人は、食塩を摂取することによって血圧が上がります。従って、高血圧の治療のためには、減塩をする必要があります。
しかし、「食塩非感受性」の人は、食塩を摂取しても血圧が上がるとは限りません。減塩をしても血圧は下がらないのです。

「食塩感受性」か「食塩非感受性」かは、遺伝子によって決まるとされています。日本人については、「食塩感受性」の遺伝子を持つ人は、多く見積もっても20%とされています。そして、食塩制限のいらない人が50%いると考えられています(残る30%の人は、食塩とほかの要因が結びついて、血圧が上がる可能性があります)。

「食塩感受性」の性質は遺伝しやすいので、近親の方で高血圧の方がいらっしゃる場合には食塩摂取量に気をつける必要があるかもしれません。しかし、多くの方は、食塩を摂取したからといって、すぐに血圧が上がるということはないはずです。

参考文献
河村幸雄「動物実験でわかった、みそ抽出物の血圧低下作用」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.11-16。
家森幸男「みその原料・大豆の成分が脳卒中を予防し、長寿に貢献する」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.17-23。
橋本壽夫「食塩と高血圧の関係はどこまで解明されたか」『日本醸造協会誌』第91巻第1号(1996年1月)、pp.15-19。
藤田敏郎「減塩運動は見直しが必要」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.65-72。
(注)みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』については、1999年2月に改訂版が発行されました。ここでは改訂版にのっとって表示します。
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