
竹伝を作る人たち
熟成
みそを付かず離れず見守る、
じっくり自然に
よりそう意味。

長年使い込んだ
杉の木桶
自然の力を借り、移り変わる季節に合わせてつくるみそがある。天然醸造みそ。竹伝の天地がえしである。その名の由来は夏の土用の頃に行う「天地がえし」。春に仕込んだ木桶からみそを別の木桶に移す伝統の技。仕込みには長年使い込んだ杉の木桶を使う。木桶は程よい保温・断熱性を持ち、気候の変化を穏やかにみそに伝えてくれる。ステンレスやプラスチックのタンクと違い通気性もあり、みその呼吸を妨げず、酵母菌などの微生物にとっても住みやすい。

発酵・熟成は、
常に自然とともにある
つまり発酵・熟成には最適で、一年を通じてみそをつくる天然醸造には欠かせないもの。発酵・熟成は、常に自然とともにある。だからこそ職人は、季節に敏感でなければならない。信州・諏訪の四季、その時々の変化を感じ取り、日々のみその状態に気を配るのが仕事。数ヶ月先はどんな気候、温度になるのかを見据え、夏場にみその発酵をすすめすぎないよう、蔵の中でも比較的涼しい場所に木桶を移したり、仕込みの時期ごとにこまめに管理したり。みそを目で見て、手で押さえ、発酵具合を確かめる。

タケヤでしか
できないみそ
職人は、ただ、待つだけではない。自然と一体となって呼吸するように、そばでみそをじっと見守り、育てる。その視線の先には、いつも、深みある色合いとまろやかでコクのある味わいのみそがある。
それこそが、「竹伝天地がえし」である。