竹伝

竹伝を作る人たち

麹づくり

生きているからこそ
難しい、
匠から匠へ受け継ぐもの。

ひと味ちがう
みそをつくる

竹伝のみそは手づくりが特長であり、もちろん麹づくりも機械を使わず職人によって行なっている。機械ではある意味楽にできてしまう麹づくりだが、麹はみそづくりの要と言われるだけに、ひと味ちがうみそをつくるために、まずは自分の手でしっかり触れるのが職人の仕事のひとつ。特に竹伝は、手間暇かけるみその中でも頭一つ抜きんでていなくてはならない。

酵素力を引き出すこと
そこが腕の見せ所

特別なみそをつくり上げる、そんな意気込みと共に心を込めて麹に向き合う。蒸米を冷ます動きの中で、少し潰しながらかき混ぜる、その力加減が難しい。潰して少し傷つけることで麹菌の菌糸が中に入りやすくなる。しっかりと麹菌を繁殖させて、酵素力を引き出すこと。そこが腕の見せ所となる。麹が上手にできれば、酵素の力によって、みその旨味や風味がどんどん増すのだ。麹菌も生きものなので、熱すぎると死滅してしまい、逆に寒すぎると動かなくなってしまう。

「信州味噌の名工」の名を
持つ者の務め

この土地の気候、そして自分たちが考えた適切な温度を守りつつ、季節に合わせてやり方を変える。その感覚は一朝一夕では身につかない。生きているものを扱う、だから難しい。「みその声を聞け」とは先達から受け継がれてきた言葉であり、匠の知恵である。150年以上にわたって築かれた昔ながらの技やつくり方を守りながら、今の世の中に合わせて改善していく、そして後世に繋いでいかなければならない。それが「信州味噌の名工」の名を持つ者の務めでもあると、職人は静かに語った。