麹づくり
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蒸米のよしあしにより、
麹の出来が決まる。麹づくりには丸々2晩、計3日かかる。まずは玄米から自社で精米した米を蒸す。昔から「一蒸し二麹三仕込み」と言われる。蒸しの工程は最重要で、ここがしっかりできていなければ決して良いみそにはならない。外が硬く、中が軟らかいのが良い蒸米のしるし。指でこねて確かめたり、口に含んで舌触りをみたり、見て触って五感で確かめる。
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火傷するほどの熱を、
冷ましながら見定める。蒸し上がりが100度、そして冷ます。手を入れれば火傷してしまう熱さ。木製の大きなしゃもじで広げて熱を逃がし、平らにならしては集め、かき混ぜてムラなく冷ます。立ち昇る熱気に、体全体を使っての力仕事。麹づくりを始めるのに最適な35~6度くらいになるまで冷ますと種付け。全体の温度と種麹を混ぜる頃合いを見極めるには、熟練の技が必要。丁寧かつ手早く、種麹を振りかけ、隅々まで手を使って混ぜながらひっくり返し、畝のように盛り上げては崩し、麹菌が一粒一粒にきちんと付くように手で塊をほぐしながら温度も見る。
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麹室に入ってからも、
二晩は気が抜けない。冷めすぎる前に布に包んで麹室へ。その後も何度も面倒を見る。二晩かけて麹の様子を観察し、数回にわたって麹の出す熱を冷ます。温度の上がり方は環境や麹菌の“体調”によって様々。それに合わせて手を入れる。決して人間の都合で作業してはならない。こうして、ようやく竹伝の麹ができあがる。