みそ健康レポート
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第8回 みそと放射性物質の除去
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【2】放射線障害にも負けない、みそのパワー
興味深いデータがあります。前ページの実験に続き、あらかじめ普通の餌を食べさせておき、放射線を当ててからみそを食べさせる実験も行いました。しかし、その場合には放射線から体を防御することはできませんでした。つまり、日頃からみその成分を体に取り込んでいることが重要なのです。
それでは、みその成分のうち、何が放射線防御作用を持っているのでしょうか。はっきりはわかっていないのですが、次のような理由が考えられています。

体の代謝活性を良くするはたらき
みその成分には老化を防ぐはたらきをもつものがたくさん含まれています。これが腸粘膜の再生や放射性物質の排泄に役立っていると考えられています。

アイソトープと結合し、排泄させるはたらき
アイソトープには、たんぱく質と結合しやすいという特徴があります。みそ中の成分がこれと結びつき、汗や尿として排泄されると考えられます。この働きをしている成分は、多糖類やピラジン(香り成分)などではないかと推測されています。

酵素の解毒作用
みそ作りに欠かせない酵素は、強い解毒作用を持っています。これも放射性物質除去作用の要因となっていると考えられます。

このような様々な物質のはたらきによって、

  1.体内に入った放射性物質を除去する作用
  2.腸粘膜などの障害を早く回復させる作用

が生まれてくると考えられています。
もちろん、放射能関係の事故は、ひとたび発生するとその被害は甚大であり、事故が発生しないような十分な対策が望まれます。みその放射性物質防御作用も万能ではなく、プルトニウムやストロンチウムなどに対しては、効果を発揮できないようです。しかし、みそにはこのようなパワーがあるという一面も、知っておいてもらいたいと思います。

参考文献
伊藤明弘「放射性物質を除去するみその効用」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.1-5。
渡邊敦光「放射線や発がん物質が消化管におよぼす障害作用を、みそはどこまで防げるか」みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』1999年、pp.99-110。
(注)みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』については、1999年2月に改訂版が発行されました。ここでは改訂版にのっとって表示します。
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