みそ健康レポート
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第3回 みそと病原細菌
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【1】みそに病原菌を入れたらどうなるか?
現在、日本では年間1,000件近い食中毒事件が起こっています。このうち多くは、病原性大腸菌、ブドウ球菌、腸炎ビブリオといった、人間にとって有害な細菌によって引き起こされると言われています。
食中毒の原因となった食物は様々ですが、厚生省の調査によると、戦後起こった食中毒事件のうち、みそが原因とされたものは1件もありません。昔から日本で食べられていたみそは、安全性という面でも高い評価を受けています。実際に、市販されているみそに対する調査では、みそ中に有害な病原細菌が発見されたことはありません。
ここでは、みその中に無理に病原細菌を混入した場合、細菌がどのように生育するかを実験した結果を見てみます。 みその中に大腸菌・ブドウ球菌を入れ、密封して室内に置いた場合に、大腸菌やブドウ球菌がどのように増加・減少するかを実験した結果です。実験は食塩0%の「無塩みそ」と、食塩11.2%(やや塩分少なめ)のみその2種類で行われました。
実験の結果、大腸菌では1週間以内、ブドウ球菌でも約2週間でみそ中の細菌は死滅してしまいました。
「みそは塩分が高いから、細菌も繁殖できないのだろう」と思われがちですが、注目すべきは、通常の塩分のみそだけでなく、塩分ゼロのみその中でも細菌がなくなってしまったことです。つまり、みその安全性は、必ずしも塩分の高さだけによるのではないのです。

参考文献
窪田 譲・伊藤公雄・望月 務「味噌と病原細菌 −食品衛生面からみた菌学的安全性−」『日本醸造協会雑誌』第76巻第12号(1981年12月)、pp.821-826。
伊藤公雄・今井 学・石神 実・武田 茂・安平仁美「味噌熟成過程における添加大腸菌の消長」『味噌の科学と技術』第31巻第3号(1983年3月)、pp.102-106。
(注)みそ健康づくり委員会『みそサイエンス最前線』については、1999年2月に改訂版が発行されました。ここでは改訂版にのっとって表示します。
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