プロのみそ評価法とは? −「全国味噌鑑評会」50回を迎えて−

 新年あけましておめでとうございます。
 新しい年をどのように迎えられましたか? このお正月は厳しい冬型の気候とのこと、温かい食べ物を家族で楽しみたいものですね。タケヤみそは、今年も家族の温かい笑顔に囲まれた食卓を応援します。

 さて、現在当社では、袋詰めみその発売50周年を記念して、タケヤみそ特醸「おかげさまで50周年キャンペーン」を実施中ですが(注)、みそのコンテストである「全国味噌鑑評会」も、昨年11月に第50回の記念大会がありました。ほかにもいろいろな「50周年」があるようで、高度成長期以降の日本を作り上げてきたものが、ここで節目を迎える時期なのだと感じさせます。

 ところで、最近はこの鑑評会の内容もマスコミに報道されるようになってきましたが、実際にはどのような審査がされているのでしょうか。今年は、あまり知られていないこのコンテストの内側をご紹介します。

1.どうやってエントリーするの?

 全国味噌鑑評会は、全国味噌組合傘下の各県味噌工業協同組合に加入しているみそメーカーが参加して実施されています。したがって、皆さんが「今年わが家で作ったみそがとてもおいしくできたので、ぜひ出品したい」と希望されても、残念ながらそれはできません。
 出品できるのは1工場につき6点まで(注)。したがってメーカーでは、できあがった自社のみそを選びに選んで出品することになります。

 ちなみに、出品する日と時間は厳格に決められていて、その前でも後でも受け付けてもらえません。みそは生きているので、ちょっとした時間の違いでも品質に変化が生じ、公正な評価ができなくなるのです。

2.どんなジャンル(種目)があるの?

 例えば水泳に自由形、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライといろいろな種目があるように、みそにも種目があります。考えてみれば、全国各地で作られている個性的なみそを、同じものさしで評価するのは無理なことです。
 そこで、全国味噌鑑評会は実に12の種目を作っており、参加者はその種目ごとに出品することになります。その内訳は下記の通り(出品数は2007年の実績)。

区分出品数特 徴
A47甘みそ部門。関西の皆さんがお雑煮で今朝召し上がった白みそはこの種目に入ります。関西や中国地方からの参加が多いです。
B37甘口みそ部門。北陸や四国などに伝わる、甘口の個性的なみそが出品されます。
C66淡色みそ部門。いわゆる信州みそのグループで、さわやかな香りを競います。長野県からの出品が圧倒的に多いのが特徴。
(C)39C部門の粒タイプ。いわゆる「こうじみそ」のグループで、北陸と信州からの出品が多くあります。
D66淡色と赤色の中間のみそになります。ここは新潟県からの出品が多いジャンル。
E70赤色みそ部門。長期熟成のコクのあるみそが並びます。
(E)211E部門の粒タイプ。出品数を見てわかるように最大の激戦区で、全国各地から多数の出品があります。
F24豆みそ部門。東海地区の「赤みそ」で、出品も愛知・岐阜・三重の3県が中心。
G24麦みその淡色部門。甘みのある麦みそが集まります。九州と中国地方からの出品が多い。
H29麦みその赤色部門。よりコクを出したみそが出品されます。以前は関東からの出品もありましたが、現在は九州からの出品が多いジャンル。
I30麦みそと米みそのあわせみそ。あわせみそにすることでうまみが増します。こちらも九州勢が中心。
J26上記以外のみそ。原料に工夫をこらしたり、従来とは異なる発酵方法を採用したりした、個性的なみそが出品されます。

3.どうやって審査をするの?

 上記の「出品数」の合計は669点。これだけのみそが集まるため、もちろん一人では審査できません。全国から選ばれた約40人の審査員がグループに分かれ、それぞれの種目別に審査を行います。
 審査のポイントは、次の4点です(当社は信州みそメーカーのため、辛口米みそ(上記種目で言うとC〜(E))の分野に特にあてはまるポイントです。他のジャンルでは少し違う場合があります)。

(1)色
 きれいな色であるかどうか。「冴え」や「照り」があるかどうか。逆に「くすみ」のあるようなみそは減点対象となります。

(2)香り
 食欲をそそるような香りがあるかどうか。信州みそであれば、芳香や適度な発酵香があるかどうか。一方で「原料臭」「酸臭」などがあれば減点です。

(3)味
 十分に旨味が出ているか、塩なれしているか(塩味がとげとげしくなく、全体の風味の中に調和しているか)などがポイントになります。

(4)組成
 原料がきちんと加工され、なめらかに仕上がっているかどうか。硬すぎたり、ざらつきや粘りがあると減点になります。

 このようなポイントに分けて評価していますが、おもしろいことに「味はすばらしいけれど色が良くない」といったみそはほとんどありません。個性の差はあるにせよ、色がすばらしければ、香りも味も組成もすばらしいみそであることがほとんどです。結局、総合力の勝負になるのです。
 このことは、皆さんがみそを選ぶときのポイントかもしれません。冴えがあり、おいしそうな色のみそを選べば、まず間違いなくおいしいみそである、ということが言えるからです。

 審査は第一次、第二次と実施され、最後の最終審査で全体の順位が決定されます。その結果「農林水産大臣賞」(いわゆる総合1位)や「総合食料局局長賞」(部門1位)が決まります。
 参加者には後日、結果票が渡され、どのような成績だったかがわかるようになっています。いわゆる「通知票」ですね。どの審査員が上記の各項目について何点を付けたか、そしてどのようなコメントを残したかが記されていて、一点一点ていねいに審査されていることがよくわかります。

 

 今年、タケヤみそは創業136年を迎えます。昨年は安全・安心が今までになくクローズアップされた一年でした。タケヤみそはこれからも気を緩めることなく、コンテストで鍛えられた「色に冴えがあり」「華やかな香りで」「毎日食べても飽きないおいしさをもち」「なめらかで品位のある」みそを、皆様にお届けしたいと思います。
 本年もタケヤみそを、どうぞよろしくお願いいたします。

 今年もおみそがおいしい年でありますように・・・

(2008年1月)

 【注】
 1.タケヤみそ特醸「おかげさまで50周年キャンペーン」は、2008年4月で終了しております。
 2.2008年から実施方法が変更になり、出品点数は1工場につき3点までとなりました。したがってトータルの出品数も減少していますが、ここでは2007年のデータを掲載しています。


トピックスのページに戻る
タケヤみそホームページへ戻る