新年あけましておめでとうございます。
新しい年をどのように迎えられましたか? 今年はカレンダーの都合で連休が長くなり、家族と一緒に過ごす時間が増えたという方も多いのではないでしょうか。タケヤみそは、今年も家族の温かい笑顔に囲まれた食卓を応援します。
さて、普段皆さんは、どこでおみそをお買いになりますか? デパートか、スーパーか、それともインターネット通販か……いろいろ選択肢がありますが、「スーパー」というお答えが多いのではないかと思います。正確な統計こそないのですが、実はみその8割はスーパーマーケットで購入されている、と言われています。
日本で初めてスーパーマーケットができたのが、1956年または57年と言われていますので、今年はスーパーが設立されて約50年ということになります。そして、実はスーパーの発展とみそには、他の食料品以上に密接な関係があるのです。
スーパーができるまで、ほとんどの人はみそを「みそ専門店」で買っていました。関東では酒屋さん、関西では漬物屋さんが兼業している例が多かったようです。そうしたお店では、店頭に桶をいくつか並べ、おやじさんが仕入れたみそをきれいに盛って、「はかり売り」で販売していました。今でも百貨店などでよく見かけるあの売り方を、どこの町でもやっていたのです。
はかり売りですから、みそには名前が書いてありません。店のおやじさんと「これは信州みそだよ」「これは仙台だね」などと会話しながら、自分の舌を目安に買っていたのです。
こうした店のおやじさんの中にはメーカーよりもみそに詳しい方も多く、「こんな質の悪いものはウチでは売れない」などといって突き返されることもあったと言われています。まさに、プロの商売だったと言えるでしょう。
ところが、スーパーは「セルフ販売」が基本です。おやじさんの説明はありません。さて、どうやって商品を売るのか?
そこで、みそメーカーはお客さまに直接手にとってもらえる「袋詰め」のみそを発売します。微生物が生きているみそを袋に密封するのには、大変な技術革新が必要でした(このあたりのストーリーはNHK朝の連続ドラマ「かりん」で詳しく触れられています)が、何とか成功。袋には「信州タケヤ味噌 蔵元直詰」と印刷を入れました。そして、セルフ販売のスーパーでもみそが売れ始めるようになるのです。
お気づきでしょうか。“タケヤみそ”など、みそのメーカー名がお客さまの目に直接触れるようになるのは、実はこのときからなのです。「これはタケヤみそですよ」ということが、だれの目にも明らかになりました。つまり、みそにも「ブランド」というものが成立し、そのブランドで品質差別化を図ることができるようになったのです。
当然のことながら、こうすることによって、テレビコマーシャルなどの宣伝も効果を発揮します。
タケヤみそがテレビコマーシャルを始めたのは1956年ですが、本格的に開始したのは1958年からで、このときには諏訪湖の風景と工場内の作業を説明したフィルムが使われたそうです。「タケヤみそは自然の豊かなところで、こういう設備で作られています。だからおいしく、安心です」というメッセージが、まっすぐにお客さんに届き、また責任をもって商品をお届けできるようになったのです。
現在では、袋詰めだけでなく、カップ詰めや即席みそ汁など、種類も増えてきましたが、現在こうして“タケヤみそ”として商売ができるのも、スーパーの登場と袋詰めの技術、それに伴うマーケティングの進化のおかげなのです。
今年、タケヤみそは創業135年を迎えます。50年育ててもらった“タケヤみそ”のブランドを大切に、これからも「品質第一」の下、安全でおいしいみそづくりに努力していきたいと思います。
本年もタケヤみそを、どうぞよろしくお願いいたします。
今年もおみそがおいしい年でありますように・・・
(参考資料)
和田充夫『関係性マーケティングと演劇消費』ダイヤモンド社、1999年、pp.139-143。
『タケヤ味噌百年史』1972年、pp.267-268。
(2007年1月)