杉の大桶のお話 −年末大掃除によせて−

 新年あけましておめでとうございます。
 新しい年をどのように迎えられましたか? ご家族だんらんの時間を過ごしている方も多くいらっしゃると思います。タケヤみそは、今年も家族の笑顔に囲まれた食卓を応援します。

 さて、新年を迎えるにあたって、家や職場の大掃除をする習慣があります。一年に一度の節目にそれまでのものを整理し、きれいにするのもいいものですね。
 私たち味噌屋も食品産業である以上、衛生管理は万全を期さなければなりません。みそ工場には大豆と米という、生物が好む食べ物がたくさんあるため、少しも気を抜くことは許されませんが、今回は仕込桶の管理についてお話します。

天然蔵

 上の写真は私たちの天然蔵(天然醸造みそを発酵・熟成させる蔵)の様子です。ここにたくさん並んでいる木桶は、天然醸造みその製造に欠かせません。木桶は厳しい自然の変化からみそを守り、じっくりとみそを熟成させてくれます。中には、明治5年の創業以来130年の歴史を持つものもあって、私たちの貴重の財産になっています。
 そして何よりも特徴的なのは、木桶一本一本に脚が付いていることです。この脚は何なのでしょうか。

 創業から昭和50年頃まで、この脚は付いていませんでした。桶はいつも同じ場所にあり、人間がみそを桶のところまで持ってきて仕込んでいたのです。ベルトコンベアで運ぶのが一般的だったようですが、その前はトロッコで運んでいたそうで、今でも工場にはそのときのポイントの跡が残っています。
 そして、みそができあがるとその桶から掘り出し、そこにまた次のみそを仕込んでいました。要は「つぎ足し」でみそを作っていたわけです。

 ところが、この方法だと、万が一みそに何か不都合があったときに、そのみそがいつまでたっても残ってしまう、ということにもなりかねません。30年ほど前にこうしたことがみそ業界でも問題になり、「木桶はすき間が多いので良くない」と判断したメーカーさんは、次々に木桶を廃棄してしまったそうです。
 タケヤでは「木桶は貴重な財産。廃棄したら二度と手に入れることはできない。だから人間が木桶の衛生管理をきちんとすることでこの問題を解決しよう」と考えました。そこでできたのが先ほどの脚です。
 木桶の場所を固定するのではなく、使い終わったら移動して確実に洗浄、乾燥する。それから次の仕込みに使う。そうやって木桶を大切に残し、天然醸造みそを作り続けたのです。

木桶移動中使い終わったら洗浄します

 現在はステンレスタンクも含め、すべての桶は移動式で、仕込み場所から発酵庫、そして洗浄場所へと移動して使われています。みそ工場にも大きなリフトが導入されるようになりました。

 今年、タケヤみそは創業133年を迎えます。先輩たちの努力を見習い、伝統を大切にしながらも、安全でおいしいみそづくりに努力していきたいと思います。
 本年もタケヤみそをどうぞよろしくお願いいたします。

 今年もおみそがおいしい年でありますように・・・

(2005年1月)


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