みそにも天神さまがいます −熊本市・味噌天神−

 暑かった夏から一転、9月以降は涼しい、過ごしやすい日が続きました。みそも過度の着色が抑えられ、助かっています。そろそろ今年の天然醸造みその出荷の時期を迎えます。

 さて、秋といえば各地の神社でお祭りが開かれる季節。そこで今回はみその神様のお話です。
 みそ業界でもっとも有名な神社は熊本市にある、その名も「味噌天神」です。本来は本村天神というのですが、次のような言い伝えがあり、みそ業者の信仰を集めています。

奈良時代の話、肥後国分寺の僧侶がみそを作っていたのですが、たびたび腐らせてしまっていました。思い余った僧侶は毎日本村天神に参拝してよいみそができるように祈ったところ、夢の中に神様が現れ「社の東側に生えている小笹を折り取ってみそ桶の中に立てよ」とのお告げがありました。そのとおりにしてみると、おいしいみそができたのです。

 さて、熊本の味噌天神以外にも、各地にみそ業者が信仰している神社が全国各地にあります。長野市には、中国から金山寺みそを伝え、全国にみそ醸造を広めたとされる信州出身の禅僧、覚心(1206〜1298)をまつった神社「味噌神社」があり、今年も去る9月26日に神事がおこなわれたとのことです。
 昔の人は信心を持ち、厳粛な気持ちでみそを造っていたのかもしれません。私たちもそうした先人の心を受け継ぎ、大切にみそを造っていかなければ、と思います。

(参考資料)みそ健康づくり委員会編『みそ文化誌』2001年4月、pp.432-444。

(2001年10月)


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