「インターソルト・スタディ」は、同じ条件・方法によって、世界52カ所の人々の食塩摂取と血圧の関係を見たものです。全世界10,000人以上のデータによって研究は行われました。その結果、1日3グラム以下くらいの極端に食塩摂取の少ない民族では高血圧がほとんどないことと、1日30グラム以上のような極端に食塩摂取の多い民族では高血圧が多いことは明らかになりました。しかし、その中間に属する大多数の民族については、食塩摂取と血圧の相関関係は認められませんでした。
東京大学医学部の藤田敏郎教授の研究(1995年)によると、高血圧の人には、「食塩感受性」の人と、「食塩非感受性」の人がいることがわかってきました。
「食塩感受性」の人は、食塩を摂取することによって血圧が上がります。従って、高血圧の治療のためには、減塩をする必要があります。
しかし、「食塩非感受性」の人は、食塩を摂取しても血圧が上がるとは限りません。減塩をしても血圧は下がらないのです。
「食塩感受性」か「食塩非感受性」かは、遺伝子によって決まるとされています。日本人については、「食塩感受性」の遺伝子を持つ人は、多く見積もっても20%とされています。そして、食塩制限のいらない人が50%いると考えられています(残る30%の人は、食塩とほかの要因が結びついて、血圧が上がる可能性があります)。
「食塩感受性」の性質は遺伝しやすいので、近親の方で高血圧の方がいらっしゃる場合には食塩摂取量に気をつける必要があるかもしれません。しかし、多くの方は、食塩を摂取したからといって、すぐに血圧が上がるということはないはずです。